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在宅医療

アルコール依存症の父

60歳で定年を終えた父は、会社勤務がなくなり、家で何もすることが無くなった。
社交的でない父は、友人も少ない。家でテレビを見ているだけ、たまに庭の掃除、古くなった家の周りの修理、補修をするだけになった。 月日が過ぎ、私が久しぶりに帰省すると、週に焼酎の紙パックを2本飲んでいた。母は、『「もう歳を取るだけで、何の楽しみもないのだから、お酒だけでも飲ませてもいいんじゃないの』と。私も、そう思っていた。
しかし、朝起きてすぐにすることは、焼酎を飲むこと。週に紙パック2箱だと1日に約3合飲んでいることになる。トイレでおしっこを床に漏らすことが増えてきた。転倒することも増えてきた。認知症にもなっているので、転倒した際に頭に大きなおでこが出来ても覚えていない。
いも焼酎を毎日3合飲んでいるため、栄養のある食事も摂らなくなっていた。

介護職員初任者研修を受けている時に、認知症についての講義があった。
先生曰く、利用者さんの家に行って、焼酎の箱パックが置いてある所は、まずアルコール依存症に間違いないと講義してくれました。 授業が終わり、講師に相談した。

地域包括支援センターに相談してみなさいとアドバイスを受けた。
本人は、アルコール依存症も認知症である事もまったく認識していない。
私が病院に行こうと言っても、まったく聞く耳を持たない。
地域包括支援センターの相談員が自宅を訪れてくれて、病院に一緒に行きましょうと
言ってくれた。家族の者の言うことは、聞かないが、相談員の言うことは、聞いてくれた。
私が、『今から病院へ行くぞ。』と言っても言うことを聞かないので、病院へ行く当日の朝、相談員が自宅まで来てくれて、上手く話をしてくれて、私の運転する車に乗せてくれた。 

医者が本人に『アルコール依存症だから3か月入院して治療しますか。』と訊ねても、本人は、入院するつもりはなし。唯一の楽しみの飲酒がなくなることに、猛反対。本人の承諾がない限り、入院させることは出来ない。家族が承認しても入院させることは出来ないのである。
最後は、本人の意思で入院するか、家族の同意を得れば、鍵のついた部屋に入院させることも出来るとお医者さんが言う。

私も、高齢の父に楽しみの飲酒を奪うことには抵抗がありました。しかし、入院3か月して帰ってきたら、
トイレでおしっこを床に漏らすこともなくなり、転倒することもなくなりました。

ケアマネージャーに相談して、家に居てもすることもなく、また飲酒を始めるかもしれないので、デイサービスに通うことになりました。
定年退職して二十何年、他人と接することのなかった父。デイサービスに通うようになって、将棋、囲碁、麻雀をして、楽しんでいるようです。
飲酒の習慣もなくなりました。ご飯、おかずもよく食べるようになりました。
認知症の進度も遅くなったような気がします。
腹が立つような強情なところはありますが、、、、。
とにかく昭和一桁生まれの父は、家族の言うこと聞きません。

高齢の父に3か月入院させることは、抵抗を感じましたが、入院させて本当に良かったと思います。
アルコール依存症の父で悩んでいる家庭もあるかと思います。
私も、介護職員初任者研修の講義を受けなかったら、今頃、父は、アルコール依存症と認知症で、廃人になっていたかもしれません。

家族の言うことは決して耳を傾けないので、
アルコール依存症と思われる父がいる家族の方は、地域包括支援センターやケアマネージャーに相談してみることをお勧めします。