鑑真号に乗って中国へ

高校時代の後輩の友人と2人旅である。

2人以上というグループで海外に行くのは、初めてのことだった。神戸ポートピアから出ている鑑真号の一番安い客室(大広間)に乗って40時間近くかけて 上海に行く。確か片道2万9千円だったような記憶がはある。 豪華客船には程遠かった。飲料水が、まずい。食堂の料理も私の口には合わない。 ろくな食事もぜずに空腹状態で上海に到着。 船に乗っているだけで気落ちしてしまった。

一体、何を食べて旅行を続ければいいのだろうか?

上海到着後、即 計画変更。豪華なホテルに宿泊してしまった。一泊の部屋料が約8千円。 安宿を見つけて旅する予定が、船旅で疲れて安宿を見つける気力なし。 波止場から、どのようにして上海のダウンタウンに行ったのかは覚えていない。 ホテルでディナーを取る。これも最初の予定とは大違い。 生ぬるいビールが出てきたが、やっとまともな食事にありつけた記憶がある。

翌日、蘇州行きの切符を買うために、上海の駅まで歩いて行く。どこからこんなにたくさんの人が集まったのか。切符を買うために、駅の構内からはみ出して 駅前の噴水広場まで行列が出来ている。切符を買うにも、道路に座り込んでお茶を飲み、お茶っ葉をぺっぺっと吐き出しては、雑談している。この行列に並んで待っていたら、いつ切符を買うことができるのか、わからない。 まるで、日本シリーズの観戦チケットを購入するために球場のチケット売り場で徹夜しているような感じだ。 中国人用の切符売り場で買うと安いと聞かされていたが、きっぱりと断念。

いかに安く海外旅行をするかって自慢をする旅人になれないのです。

外国人専門の切符売り場のオフィスを見つけて、蘇州行きの2等席の列車の切符を購入する。向かい合った席の中国人と紙切れに漢字を書きながら会話をして、列車旅行を楽しむ。欧米人のバックパッカー達は、どのように中国を旅行するのだろうか。

蘇州に到着。名前は忘れたが、有名な湖の近くのレストランで食事した時の。生温かったビールだけは記憶あり。到着した夜に、 蘇州から杭州まで運河下りをする。運河の水は、どろどろの色をしていて、とてもきれいとは言えない。客室が同じになった中国人の家族と会話?をしながら、杭州に向かった。

杭州で、やっとバックパッカーが宿泊していそうな宿に泊まる。これで、僕達もやっとバックパッカーの仲間入りだ。少し満足。欧米人のカップルと相部屋だった。どうして彼等は、人前でもいちゃいちゃできるのだろうか。気になって眠れなかった記憶あり。でも、何ごともなかったようだった。翌日は、テレビでいつも見ていたあの頑丈な自転車をレンタルして、杭州の湖の周りをサイクリングする。
自転車の数は、やたら多かった記憶あり。

杭州の旅行会社で翌日の桂林行きの航空券を買う。どの飛行機も満席だったため、「めいよ、メイヨ。」と予約担当者の不機嫌そうな対応を覚えている。どこに行っても、「めいよ、メイヨ」だ。日本人のお客さまに対するサービスは、なんとすばらしいのだ、と思ったものだ。

列車の駅の待ち合い室かと間違えるような杭州の空港、いや、飛行場だった。改札口?を通って、飛行場に歩いていくと、前方には、製造年月日不明の
プロペラ機が泊まっていた。搭乗前に、念のため記念撮影をする。

プロペラ機は、大きな揺れもなく、無事に桂林に到着。

桂林では、川下りのツアーに参加。これは、すばらしい。まさに水墨画の世界だった。ツアーで一知り合った大阪の 大学生グループと、日本語を話す中国人のおじさんが兄弟で経営している 「友達飯店」にて夕食をする。北京ダック、ふかひれスープ、そして生温いビール、食べた、飲んだ。中国を旅行して初めて、美味しい食事にありつけました。大満足。お勘定のときに、大阪から来ている学生グループは、おじさんに食事代を値切る交渉を始めました。 値段は、こんなに食べてこんなに安いのっていうくらい安かったです。

さすが、大阪人。中国の大衆食堂で、夕食代を値切ってしまいました。 今、思い出しても、食堂で食事代を値切った場面に遭遇したのは、この時が最初で最後です。
この時、沈黙していた私もこの場を借りて、少し反省します。

桂林に旅行される方、ぜひ『友達飯店』で食事をしよう。

桂林は、観光地化されてはいたが、皆さん、親切な人達ばかりでした。私の旅の同伴者は、日本語を勉強している中国人学生と知り合いになり、その夜は、その学生が友人宅で麻雀をやるというので、本場の麻雀を見物に行きました。 牌の大きさに驚き、ルールがよくわからん、と言って、参加はしなかったそうです。

楽しかった桂林を離れて列車で広州へ移動。
広州から香港まで電車に乗って、香港で今はなき「フジホテル」に宿泊。エコノミーの席は予約が取れず、ビジネスクラスの片道航空券を買って帰って来ました。少しリッチな気分。7泊8日中国の旅は、これで終了。 帰りは、鑑真号でなくて良かった、良かった。そういえば、大阪の大学生は帰りも船で帰ると言っていた。


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